このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。
第99話
「持続的な成功に8原則を活用する」(その3)
今回は、日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌に掲載した連載記事「ISO 9004を活用して経営に活かすためのQMSに変える!」から、2012年8月号「持続的な成功に8原則を活用する」を3回(第96話~第99話)に分けてご紹介します。今回は、(その3)を掲載いたします。
ISO 9004 に掲載している利害関係者を、次の(表5)に示しました。
利害者関係 | ニーズ及び期待 |
---|---|
顧客 | 製品の品質、価格及び納期 |
オーナー/株主 | 持続的な収益性、透明性 |
組織の人々 | 良好な作業環境、雇用の安定、表彰及び報奨 |
供給者及びパートナー | 相互の便益及び関係の継続性 |
社会 | 環境保護、倫理的な行動、法令・規制要求事項の |
次に、なぜ、利害関係者の期待及びニーズを満たすことが重要であるのかについて、「企業と社会」(参考文献1参照)を引用して説明します。
「あらゆる企業活動は、社会の多くの人々、集団、および、組織との間で複雑な関係を形成している。あるものは、意図したとおりの望ましいものであり、あるものは予期に反した望ましからざるものである。望むと望まざると、自発的であろうとなかろうと、企業活動に関わる人と組織は企業の決定、行動、および業務に利害関係をもっている」(参考文献1 「企業と社会」第1章より)
また、(図4)には、企業と直接的ステイクホルダー(利害関係者)との関係、(図5)には、企業と間接的ステイクホルダー(利害関係者)との関係を示しました。
直接的ステイクホルダーとは、企業の存続と活動にとって、なくてはならない存在であり、間接的ステイクホルダーとは、企業の主要な活動や決定によって直接、あるいは間接的に影響を受けることになる、社会の人々や集団のことを言います。
社会の一員として企業が存在し、社会の中で企業活動が行われていることを考えれば、様々な利害関係者を考慮しなければならないのは、当然のことと言えます。
また、冒頭で述べた食中毒事故が、多くの利害関係者に影響を与えた事実をみても、企業が利害関係者に係わるリスクを十分に検討することが如何に重要であるかが分かるのではないでしょうか。
次回、「戦略及び方針を展開する」では、ISO 9004箇条5及び品質マネジメントの8原則について述べる予定です。
(参考文献1)
「企業と社会」(株)ミネルヴァ書房 J・Eポスト他著
日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌に掲載した連載記事「ISO 9004を活用して経営に活かすためのQMSに変える!」 2012年8月号より
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