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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。
第64話 「監査証拠を集めて現状を知る」(その2)

今回は、株式会社鶏卵肉情報センター『月刊HACCP』誌に掲載した連載記事「ISO 22000の内部監査を活かす」より、2012年5月号「監査証拠を集めて現状を知る」を3回(第63話~第65話)に分けてご紹介します。今回は、(その2)を掲載いたします。


2.監査証拠を集めて現状を知る

監査証拠こそが、内部監査の状態を診断するために必要不可欠な情報である。

ISO 19011:2011(JIS Q 19011:2012)では、「監査」を次のように定義しています。

監査:「監査基準が満たされている程度を判定するために、監査証拠を収集し、それを客観的に評価するための体系的で、独立し、文書化されたプロセス。」

この「監査」の定義から、監査では「監査証拠」が、重要な役割をもっていることが分かります。それでは、次に「監査証拠」の定義をISO 19011:2011から引用してみます。

監査証拠:「監査基準に関連し、かつ、検証できる、記録、事実の記述又はその他の情報。」

次に、「監査」と「監査証拠」の定義に出てくる「監査基準」についても調べてみましょう。

監査基準:監査証拠と比較する基準として用いる一連の方針、手順又は要求事項。


筆者が「監査」を平易な表現で言い換えると次のようになります。
「監査」とは、「手順(食品安全マニュアル、一般衛生管理規定)や要求事項(ISO 22000の要求事項)への遵守の程度を判定するために、記録、事実を裏付ける情報を集め、客観的に評価するプロセス」
食品安全マニュアル(※1)を監査基準とした内部監査を例に挙げて説明すると、監査員が適合であるかまたは不適合であるかを決定するためのより所が食品安全マニュアルです。そして、食品安全マニュアルの手順に従って活動しているか、手順に従った活動で食品安全が実現されているかどうかをチェックするために、現場を観察する、作業者にインタビューをする、記録を確認する、などを実行し入手した情報が監査証拠です。また、食品安全マニュアルの記述だけでは、その内容が分からないときは、更に詳しい手順を記した文書を確認します。この文書も監査証拠として扱います。
(※1)ISO 22000では、食品安全マニュアルを作成することは要求されていませんが、ここでは、ISO 22000の要求事項を網羅した文書を食品安全マニュアルとして扱っています。

 

 

株式会社鶏卵肉情報センター『月刊HACCP』誌に掲載した連載記事「ISO 22000の内部監査を活かす」 2012年5月号より

 


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