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ISOアラカルト(山本宏司からのメッセージ) 過去のISOアラカルト
ISOアラカルト
このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。
第7話 「コミュニケーションについて考える」

コミュニケーションの意味を辞書で調べると次のように解説しています。
人間が互いに意思・感情・思考・情報を伝達し合うこと。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える身振り・表情・声などの手段によって行う。
三省堂 大辞林 第3版より

この解説から、コミュニケーションには次の3つの要素を含むことが分かります。
コミュニケーションには次の3つの要素を含むことが分かります
つまり、コミュニケーションとは、伝達手段を用いて意思・感情・思考・情報などを、お互いの間で伝達しあう(一方通行ではない)ことです。コミュニケーションを親子におけるキャッチボールに例えると、親と子の間で、ボール(伝達するもの)を投げたり受け取ったりすること(伝達する手段)になります(図3 参照)。

一流打者に打たれない極意

次に、ISOマネジメント規格の中でも広く使用されているISO9001 QMS及びISO14001 環境マネジメントシステム(以下EMSと略す)について、コミュニケーションに関連する要求事項を見てみましょう(図4 参照)。
図4からISO9001及びISO14001は、コミュニケーションの効果的な方法、または、その手順の確立を要求していますが、コミュニケーションの対象、内容及び手段などに関する具体的な要求は殆どありません。



品質・環境マニュアルなどのシステム文書には、図4のコミュニケーションの要求事項に対する具体的な手順が記述されています。しかし、その内容は、「品質保証会議」、「環境保全会議」、「朝礼」などの会議体系を挙げるだけで、何の情報や意思を伝達するのか、伝達する対象は誰かなど、分からないことがあります。
読者の皆さんの会社では、次のようなことに心当たりはありませんか。


これらはいずれも、コミュニケーション不足や的確なコミュニケーションができていないために、発生している事象である可能性が高いのです。コミュニケーションは、企業活動において、顧客からの情報や社内における重要な情報などを伝達するものです。顧客からの要求に応えられないために信用を失ってしまったり、内部コミュニケーションが悪いために致命的な問題に発展するなどの例が少なくありません。逆に、コミュニケーションを改善することによって、顧客満足の向上を図ったり、社内の問題発生を未然に防ぐことが可能になります。

日刊工業新聞社 「ISOマネジメント」誌 2007年4月号
リレー連載 「今だからこそ、マネジメントシステムで我が社のファンを増やしませんか」
その2-コミュニケーションを有効に活用する- より






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