先月に引き続き、9月20日に発売された日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌10月号特集記事 第1章『「ぱっ」と分かるサービスのツボ』から紹介いたします。
ここで改めて整理すると、サービスを構成する要素には、(1)コア・サービス、(2)サブ・サービス、(3)コンティンジェント・サービスがあり、サービスはこれらの要素が束になったものであると捉えることができます。
(図4)は、それぞれのサービスの要素が顧客満足度に与える影響について、一般的な傾向を表した図です。コア・サービスは、充足していても、顧客にとって当たり前として受け取られ、不足しているときは、不満足に繋がります。JRの旅客業務で例えると、乗客は、目的地に予定通りに到着しても何とも思いませんが、電車が遅れる、又は運休になれば不満を感じます。
サブ・サービスは、劣っていても、あまり不満は感じませんが、優れたものは顧客に感動を与えるほどのインパクトがあります。これについてJRの旅客業務を例に挙げて詳しく述べます。あまり知られていませんが、東海道新幹線の中では、FMラジオでJR東海が制作した番組を聞くことができます。筆者は以前このサービスを利用したことがありますが、趣味に合う局がないので、その後は利用していません。このサービスが、乗客の移動をより快適にするために提供されているものだとすれば、もう少し検討を加えて、もっと乗客に喜んでもらえるサービスを考えることができると思います。新幹線に乗っている乗客を観察すると、(1)眠っていたい、(2)音楽を聞きたい、(3)映像を楽しみたい、(4)仕事がしたい、(5)景色をボーと眺めていたい、などに層別をすることができます。乗客のそれぞれのニーズに合ったサービスが提供できれば、乗客の満足度はグンと上がります。ちなみに、(1)に分類される筆者としては、乗り過ごさないため、目的地に到着する前に起こしてくれる『目覚まし』サービスがあれば嬉しいのですが。
コンティンジェント・サービスは、その場の対応次第で、不満足にも満足にもなるものといえます。JRの旅客業務では、気象条件などの影響への対応は、すでに想定できる範囲であれば、そのサービスは当然のことといえます。前述した列車ホテルがその一例です。一方、全く想定外のできごとが発生したときに、迅速に、しかも的確な対応ができたときは、おそらく、顧客に感動を与えることができるでしょう。
日刊工業新聞社 「ISOマネジメント」誌 2009年10月号
特集記事 「製造業の営業・販売とサービス業に活かすためのISO」
第1章-「ぱっ」と分かるサービスのツボ- より
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