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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第92話
 「教育・訓練を効果的に実践するためのPDCA」(その2)

今回は、一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」から、2010年7月号「教育・訓練を効果的に実践するためのPDCA」を3回(第91話~第93話)に分けてご紹介します。今回は、(その2)を掲載いたします。

 

2.人を育てる


ここで話は、プロ野球の話題に移ります。今や交流戦は特別なイベントでは無くなりましたが、この制度ができたとき(2005年)は、セ・リーグとパ・リーグの公式戦における対戦は画期的なできごとでした。その第1回目の交流戦で、ロッテは栄えある優勝を果たし、ペナントレースもプレー・オフを制し優勝、更に日本シリーズでも勝利し、見事日本一に輝きました。当時のロッテは、ボビー・バレンタインが監督として指揮を執り、それまで低迷していたチームを、優勝に導いた手腕は高く評価されました。その頃、バレンタイン監督が優勝の秘訣を語っている姿を、テレビ番組で何度か見ました。その中から、教育・訓練に関連し、たいへん印象に残ったバレンタイン監督の発言があったのでここで採り上げます。

司会者:
「どのように選手を指導したら強いチームになるのでしょうか」
バレンタイン監督:
「私の仕事は、選手達に野球を指導することではなく、指導した野球を選手達が実践できるようにすることです。試合で教えたことが実践できなければ、それができるまで、私は何度でも指導します。」

バレンタイン監督の発言は、「教育・訓練は目的ではなく、手段であること」を見事に言い表しています。

以上の事例を基に、今回は次の2つに重点を置いて、教育・訓練を効果的に実践するためのPDCAについて考えてみます。

  • ① 教育・訓練は必要な知識、技能を教えるだけではなく、人の意識を変える場とする
  • ② 教育・訓練が手段として効果的であったかどうかを評価する

(1) Plan

① 教育・訓練項目の明確化
まず、教育・訓練に係わる大項目を洗い出し、これを基に、更に中、小項目へと展開し、会社にとって必要な教育・訓練を明らかにします。大項目の一例を以下に示します。
◎会社の方針、目標やそれに係わる自らの役割を認識する(意識を変える)
◎業務を遂行する上で必要な知識と技能を身につける(知識と技能を得る)
この2つの大項目は、教育訓練の目的により分類しているので、例えば中項目には階層、小項目には内容を分類項目とします。
② 教育・訓練方法の選択
教育・訓練の方法には、職場の中で主に実務を学ぶOJT(On-the-Job-Training)と職場以外の場で主に知識を得るためのOFF-JT(Off-The-Job-Training)があります。教育・訓練の目的に合わせ、教育・訓練の方法を選択します。
カリキュラムの内容もまた、教育・訓練の目的に合うものかどうか、十分に検討しなければなりません。
③ 年度計画の立案
年度始めに、年度教育・訓練計画を立案します。教育・訓練計画を立てる目的は、必要な教育・訓練のもれ防止、教育・訓練の進捗管理などであり、適宜その内容を見直し、教育・訓練の追加又は削除を検討します。
④ 教育・訓練の評価項目の設定
教育・訓練の内容が適切であったか(内容の評価)どうか、教育・訓練が要員の力量向上に寄与したか(教育を受けた人の評価)どうかを確認するために、評価項目を予め設定しておきます。
なお、力量向上については、次のような評価ステップを考慮すると、教育・訓練が経営に役立ったかどうかの判定が可能になります。

どんな知識や技能を学んだか   ↓   職場での行動がどのように変わったか   ↓   その結果としてどれくらい経営の成果(業績、効率の向上)に結びついたか

(2) Do

年度教育・訓練計画に基づき、教育・訓練を実施し、進捗状況を管理します。

(3)Check

教育・訓練の目的に対する達成度を評価します。評価項目は、(1)④で設定した項目を用います。

(4)Act

評価の結果、教育・訓練の内容の見直しが必要であると判断したときは、その方法の変更を検討します。また、教育・訓練を受けた人の力量が、目標に対し未達であると判断したときは、改善した教育方法により再教育を実施します。

 

 

一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」 2010年7月号より

 


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