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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。
第18話 「教育・訓練を効果的に実践するためのPDCA」 

今回は、社団法人日本農林規格協会『JAS情報』誌2010年7月号 PDCAあれこれ〈その10〉最終回から紹介いたします。
『JAS情報』誌の連載記事〈その1〉~〈その10〉の全てをPDFで公開しています。そちらも是非ご覧になってください。ここでは、雑誌で紹介できなかった写真を加え記事の一部を掲載いたします。

1.少年よ大志を抱け

今回は先月号に引き続き、北海道での観光の話から始めます。4月下旬、筆者は春の北海道に到着し、まず向かった先はクラーク博士の銅像が立つ羊ヶ丘でした。(クラーク博士の銅像と筆者 写真参照)
クラーク博士の銅像に刻まれている「BOYS,BE,AMBITIOUS」(少年よ大志を抱け)という言葉は、あまりにも有名ですが、クラーク博士がこのメッセージを残した理由を、筆者はここを訪れるまで知りませんでした。資料館で頂いた「ウイリアム・S・クラーク博士に関するメモ」(参考文献 1)参照)に、その説明が載っていましたので紹介します。

クラーク博士の銅像 向かって左に札幌ドームが見えます

ウイリアム・S・クラーク博士は任期満了によって、明治10年(1877)4月16日、札幌に別れを告げると馬で室蘭に向かった。その朝、名残を惜しむ職員・生徒一同は、馬にまたがり、クラークを囲んで開拓史本陣前に整列して記念写真を撮ってから、クラークを送って千歳へ向かった。・・・中略・・・。やがてクラークは・・・中略・・・、ひらりと馬にまたがると、道を進みはじめた。振り返ると、別れを惜しむ学生らが悲しげな様子でなおも馬であとに従ってこようとするので、いきなり馬にムチをあてて一声高く叫んだ。
「Boys,be,ambitious!」
この言葉が、師の後ろ姿を見送る教え子達の胸に深く刻み込まれ、北海道大学の精神に育っていったのである。

この場面描写からは、クラーク博士とその生徒の間で、別れを惜しむ情景がとてもよく伝わってきます。更に、このような状況下でクラーク博士が叫んだ「Boys,be,ambitious!」は、生徒達のそれからの人生に与えただろう影響の大きさは、容易に想像できます。
「Boys,be,ambitious!」は、一つの言葉というより、生徒達にとっては、大切な「教え」と言った方が良いかもしれません。
このような劇的な場面でなくとも、ある機会で得て、以後大切にしている「教え」を、誰しも1つは持っているのではないでしょうか。

日本ハムファイターズ記念碑
「羊ヶ丘」の羊たち

筆者にも社会人となった新入社員研修で、「自己研鑽に励め」という大切な「教え」を得ました。 ここで、30年前に遡り、新入社員研修の場面を再現してみます。

研修の初日に、筆者を含む新入社員は、人事担当者から次のような課題を与えられました。「社会人となり、この会社で働くことになった今、仕事に臨む上で最も大切なことは何かを研修最終日までに考え、各自発表しなさい。」
約1ヶ月間の集合研修はあっという間に過ぎ、筆者が自信をもって発表したのは、次のような内容でした。
「毎日の仕事始めに、その日の活動計画を立てる」
この発表がどう評価されたのかは、全く記憶に残っていませんが、最後に人事担当者が述べた模範回答は、今でも鮮明に覚えています。
「皆さんにとって大切なのは自己研鑽に励むこと。ここにいる新入社員一人ひとりがレベルアップすれば、会社全体のレベルも上がるのです。」

筆者にとっては、「自己研鑽に励む」という模範回答は、まさに目からウロコ。会社における自らの役割は、上司から与えられた仕事をそつなくこなし、その対価として給与を貰うという意識が、この説明で一変したのです。教育・訓練は、業務を遂行する上で必要な知識、技能を教えるだけではなく、意識を変えるための場でもあるのです。

 

社団法人日本農林規格協会 「JAS情報」誌 2010年7月号
「PDCAあれこれ 〈その10〉 -教育訓練を効果的に実践するためのPDCA- より


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