今回は、一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」から、2009年12月号「温室効果ガス低減プログラム策定のためのPDCA」を3回(第66話~第68話)に分けてご紹介します。今回は、(その3)を掲載いたします。
読者の皆様は、家庭生活におけるCO2排出量を算定したことがありますか。CO2排出量の計算は、環境省が示ししている算出方法及び排出係数を用いて電気、ガス、ガソリンなどの使用量を基に算定します。ちなみに、筆者の世帯では昨年1年間のCO2排出量は4.2tであり、1世帯当たりのCO2排出量5.4t((環境省のデータ:平成19年度より)と比較すると、平均値より約20%低い値だったことが分かりました。
CO2は、形がなく、重さも感じることができません。また、CO2を排出している責任の所在などは、実際には明確にするのは不可能といえます。そこで、CO2(換算値)の算定には、算定対象ガスの特定、バウンダリ(組織境界と活動境界)の特定、排出係数など算定に必要な条件を定めた算定方法が必要になります。排出量取引制度は、制度毎に算定方法が異なるため、その内容を十分に理解しなければなりません。
また、排出量取引制度では、算定結果に基づき金銭的な売買が行われるので、算定結果の正確さはとても重要です。排出量算定のためのPDCAの枠組みを考えたとき、Checkでは、自らのチェックと外部の第三者(検証人)による検証を受けなければなりません。
温室効果ガス算定におけるポイントは、次の2点です。
企業活動に係わる環境関連の制度としては、これまで述べてきた排出量取引制度の他、環境税、カーボンオフセット、省CO2効果表示などがあります。省CO2効果表示は、本年の4月に農林水産省が「農林水産分野における省CO2効果の表示の指針」を出しましたので、詳細は、農林水産省のホームページからご覧になってください。
自ら排出したCO2は、自らの責任で減らす。もしそれができなければ、その排出する権利を買うなど、一昔前までは考えもつかなかったのではないでしょうか。
産業活動から排出されるCO2を売買する、自然エネルギーから得た電気を売買する、このような時代は、すぐ近くに迫っています。今から、その準備を始めても決して早くはないと思います。
一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」 2009年12月号より
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