今回は、日新刊工業聞社『ISOマネジメント』誌 2007年3月号 特集記事「5S・JIT及び品質と環境のISOで儲ける」から第6章「」ISOと5S・JITのシナジー効果で更に儲ける」を8回(第31話~第38話)に分けてご紹介します。今回は、(その6)を掲載いたします。
「品質マニュアルを4章から読んで、ピンとくる人は誰もいないから、まずプロセスフロー図を見てください」という出だしで、筆者は講演を始めた。QMSには、「顧客満足の向上」及び「方針管理」に係わる活動が含まれる。どちらも、規格要求事項を満たす程度の取り組みでは、企業にとって大したメリットはない。しかし、メリットを得ることができる、つまり儲けることに関連する要求事項に、適切な手順を入れることで効果が出る仕組みに生まれ変わる。A社では儲けるための流れとして「方針管理」(図10参照)、又A社が儲けるためには顧客に儲けてもらわなければならない。この流れとして「顧客満足の向上」(図9参照)について説明した。その後、果たして現状におけるA社の仕組みはどうなのか、受講者に自分の業務内容を含めて考えてもらった。講演における(図9)と(図10)の説明部分については次の通りである。 「顧客満足の向上」は、顧客に感動を与える活動を実践する。つまり顧客が思っていたレベルを上回る、例えば、機能が多い、壊れない、納期が短い、値段が安いなどを実現する活動を従業員が実施する。顧客は期待を上回る製品を手に入れたことで、又心地よい対応に接したことで得をしたと感じる。これによって、顧客が儲ける(得をする)ことにつながる。また、「方針管理」は、各部門が利益に係わる品質目標を立て、これを達成することでA社が儲ける(利益をだす)ことにつながる。前者の活動を(図9)に、後者の活動を(図10)に、その活動の枠組みを示す(図9及び図10 参照)。
さて、話を元に戻すと、先のA社講演事例において注意しなければならないことは、図9及び図10の☆マークの部分、つまり改善(又は改革)活動では管理技術が必要であるという点である。幸いA社はQC活動を長年続けており、改善手順及び品質管理手法に係わる知識はすでに備わっていた。仮に、改善のための管理技術をA社が持ちあわせていなかったとすれば、適切な管理技術を教育、訓練により導入する必要がある。JITは、生産活動における改善・改革ための有効な管理技術である。生産活動に係わる、短納期、ロットサイズなどの問題は、JITの活用が効果的である。 すでに「1.視覚化のメリット」の中で、5Sは生産現場におけるムダや異常を「視覚化」するための道具であることは述べている。又、文書はVSOP(注1)のレベル迄達することで、改善の成果をQMS、EMSに反映しシステムの見直しに役立つ。以上のことを踏まえ、キーポイント2を次に示す。
日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌 2007年3月号 特集記事「5S・JIT及び品質と環境のISOで儲ける」から第6章「」ISOと5S・JITのシナジー効果で更に儲ける」より
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