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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第199話 :QMSと5Sのシナジー効果で儲ける Part2

 

1.はじめに

ISO 9001は、1987年の発行から、すでに25年が経過しました。この規格が普及し始めたのは、認証制度の対象となった1994年版(第1回改訂)以降であり、日本適合性認定協会のデータによれば、1999年第4四半期に10,000件を超え、2005年の第1四半期には40,000件を突破し、認証取得の件数は順調に伸びてきました。しかし、ピークの43,564件(2006年第4四半期)を境に漸減しはじめ、現在の認証取得件数は、約37,000件(2011年第3四半期データ)まで落ち込みました。

ISO 9001の認証取得件数が下降傾向に向かったちょうどその頃、筆者らは、本誌2007年3月号で、『5S・JIT及び品質と環境のISOで儲ける』(参考文献1 参照)というタイトルの特集記事を発表しました。ISOマネジメントシステムは、企業に利益をもたらす目的で作成されている訳ではないので、規格の要求事項に適合させるだけの仕組みでは、その効果は期待できません。そこで、この記事は、企業に利益をもたらすツールとしてISOマネジメントシステムと5S・JITとのシナジー効果の活用を提案しました(表1参照)。あれから5年が経ち、ISOマネジメントシステム離れが進む今、まさにその必要性を痛感し、今回、続編の特集記事を企画しました。

今回の特集記事は、5年前の特集記事と次の点が異なります。

①ISO マネジメントシステムは、ISO 9001品質マネジメントシステム(以下、QMSと略す)に限定した。(ISO 14001環境マネジメントシステムは対象から外した。)

②ISO マネジメントシステムとのシナジー効果を得るための管理技術は、業種を問わず広く普及している5Sに限定した。(ジャスト・イン・タイム(JIT)は対象から外した。)

③QMSと5Sのシナジー効果を得るための方法論を追加した。

これらにより、読者の皆様にとって、より身近で、分かりやすい内容を提供しています。

なお、筆者が執筆した本誌の特集記事、2006年4月号、2008年10月号、2009年10月号及び2011年2月号(参考文献2~5参照)は、タイトルに「シナジー効果で儲ける」というフレーズを敢えて付けていませんが、ISOマネジメントシステムを経営のツールとして活用することを提案している点では、今回の特集記事と共通します。読者の皆様のお手元にバックナンバーがあれば、参考にしてください。

 

2.この特集記事の概要

この特集記事は、QMS と5Sのシナジー効果を得るために留意すべき事項(理論編)と、すでにその実現を果たしている企業における活動事例(実践編)で構成されています。第1章は5S の専門家である古谷誠氏が担当し、全体の構成及び第1章を除くすべての章をISOの専門家である筆者が担当しました。5SとQMSの専門家が、それぞれの専門的な視点により執筆した本文と、企業における活動事例は、読者の皆様にとって、必ず役立つ内容であると考えます。

 

次に、各章の概要を紹介します。

第1章「QMSと5Sのシナジー効果 5Sのポイント」の執筆は、ジット経営研究所 古谷誠氏が担当します。シナジー効果を得るための5Sのポイントを、次の観点から説明します。

①経営を支える経営資源に対する5S

②経営の課題を現場に落とし込んだとき、その課題が見えるようにするための5S

③課題の解決に向けたアプローチ

第2章「QMSと5Sのシナジー効果 QMSのポイント」の執筆は、筆者が担当します。QMSと5Sで期待できるシナジー効果を5項目取り上げ、それを実現するためのQMSと5Sの留意点について説明します。

第3章から第5章は、企業におけるQMSの活用事例の紹介です。

第3章「「ものづくり」の誇りを胸に」では、株式会社金子製作所の活動内容を紹介します。ポイントは、高い技術力、QMS及び5Sによりニッチ市場で事業展開、PDCAサイクルを5S・JITで回しSDCAサイクルをQMSで回す、事業活動の背骨がQMSなどです。

第4章「地球にやさしく、顧客にもやさしく」では、株式会社東洋化学の活動事例を紹介します。ポイントは、高い製品の品質と豊富な製品の品質情報、5S・JITの活動指標が品質目標、現場の自主改善がQMSの基礎となる活動などです。

第5章「食品の安全・安心と品質を充填する」では、株式会社トッパンパッケージングサービス嵐山工場における活動事例を紹介します。ポイントは、7SをQMSに取り込む、目で見える改善活動、 徹底した衛生管理などです。

第6章「むすび」では、この特集記事全体の総括をします。

この特集記事が、読者の皆様にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。

 

(参考文献) 

『ISOマネジメント』 日刊工業新聞社

1.「ISOと5S・JITのシナジー効果で儲ける」共著 (2007年3月号 特集記事)

2.「中小企業だから実現した儲かるISOのコツ」共著 (2006年4月号 特集記事)

3.「ISOで技術・技能を伝承する」共著 (2008年10月号特集記事)

4.「製造業の営業・販売とサービス業に活かすためのISO」 (2009年10月号特集記事)

5.「QMSを上手に使いこなそう」 (2011年2月号特集記事)

 

日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌の2012年2月号に掲載した特集記事『QMSと5Sのシナジー効果で儲ける Part2』 序章 より


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