今回は、一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」から、2009年11月号「食品表示問題を防止するためのPDCA」を2回(第58話~第59話)に分けてご紹介します。今回は、(その1)を掲載いたします。
農林水産省は、7月29日に、「平成20年度生鮮食品及び加工食品の品質表示実施状況調査等の結果」を発表しました。概要は次の通りです。
◎小売店舗の加工食品においては表示欠落等不適正な表示をしていた商品の割合は全体で6.6%(前年度と比較すると0.8%減とやや改善)
◎食品製造業者の加工食品においては全商品に適正な表示をしていた事業所の割合は81.6%
この調査結果について、筆者の周りの何人かに意見を聞いたところ、食品企業における表示に対する取り組みは、この程度で仕方ないという意見と、これでは改善努力が足りないという意見に二分されました。
ただ、現状を容認する前者の意見は、食品業界に携わる人達から得られたものであり、一方、今後一層の改善が必要とする後者の意見は、食品業界とは関係のない人達からの意見で、その立場の違いによる見解の相違がはっきりみられました。少なくとも筆者の周りの一般消費者の人達は、この状況に満足していないようです。
これまで、数々の食品偽装表示が問題となり、一般消費者の食品関連企業に対する信頼は著しく損なわれました。これを回復するためには、たとえ悪意はないポカミスが原因であったとしても、また取るに足りない小さな間違いであっても、企業では不適正な表示をゼロに近づける努力をしなければなりません。
農林水産省では、昨年3月に食品業界の自主的な信頼性向上の取り組みを促すため、「食品業界の信頼性向上自主行動計画」を策定しました。この中には、次の食品事業者向け「5つの基本原則」が含まれます。
一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」 2009年11月号より
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