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ISOアラカルト(山本宏司からのメッセージ) 過去のISOアラカルト
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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。
第32話 「ISOと5S・JITのシナジー効果で更に儲ける」(その2)

今回は、日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌 2007年3月号 特集記事「5S・JIT及び品質と環境のISOで儲ける」から第6章「」ISOと5S・JITのシナジー効果で更に儲ける」を8回(第31話~第38話)に分けてご紹介します。今回は、(その2)を掲載いたします。

(2)5S・JITにおける視覚化

5Sは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」について、ステップを踏んで実施する(詳細は、古谷誠氏の記事を参照)。「整理」(不要なものを捨てる)では、赤札を使い、不要なものか、そうでないものかを区分する。「整頓」(使いやすいように置き、明示する)では、設備や製品を識別するために看板を使う。
生産活動において、在庫はゼロが理想であるが、生産の流れを止めることを防ぐためには最小限必要となる。JIT活動では在庫を管理するため、又在庫を減らすことを実現するために、かんばん(引き取りかんばん及び仕掛かりかんばん)を使う。 このように、赤札看板及びかんばんは、生産現場におけるムダや異常を「視覚化」するための道具として用いる。

「視覚化」は、潜在化していた問題を、顕在化させるための有効な手段である。QMS、EMSが仕組み上の問題を、5S・JITが生産上の問題を、「視覚化」することで明らかにし、その解決を図るための重要な役割を担う(図2 参照)。

図2 「視覚化」のメリット

2.QMS,EMSと5S・JIT その関係

近年、企業活動において、経済的な利益追求に加え、社会に積極的に貢献する取り組みへの重要性が高まった。QMS、EMS及び5S・JITは、企業が利益を上げるためにも、また、社会的責任を果たす上でも有効な手段である。次に、QMS、EMS及び5S・JITの企業活動に果たす役割とそれぞれの関係を示す。

(1)5Sは、QMSとEMSの基礎である

筆者の業務は、QMS及びEMSなどのコンサルティングであるが、その中には構築後の支援活動を含む。次の場面は、筆者が定期的に訪問している企業において、製造課長とやりとりしている1コマを再現したものである。ここで5Sに係わる要素をS、QMSに係わる要素をQ、EMSに係わる要素をEとして表示し、5S、QMS及びEMSの関係を示した。更に、この関係を(図3)にまとめた。

筆者:
まずは現場へ案内してください。
筆者:
前回に比べ、ずいぶん良くなりましたね。場内に入ったら、全体の状況がすぐに見渡せますね。ものの滞りや人の動きもすぐに解るようになりました。
課長:
以前から指摘して頂いていたのですが、これまでは整理(S1)がなかなかできませんでした。今回、思い切って殆ど使わなかった設備を処分し、仕掛品を少なくしたら有効スペースが広くなりました。また、整頓(S2)により、設備や材料の置き場所などの配置を替え、移動距離が短くなるようにしました。ものは目の届く高さ以上に置くことがないようにしました。その結果、場内全体が見渡せるようになった次第です。これで、原材料の保管場所(Q1)は、固定でき、個々の識別表示(Q2)が確認しやすくなり、原材料を取り扱うときの誤用防止になりました。又、原材料の在庫は、ひと目でその状態が確認できるようになったことで大幅に減り、資源を有効に使う(E1)ことができるようになりました。万が一火災などの緊急事態が発生したとき(E2)も、すぐに発見でき迅速な対応が図れます。
筆者:
それでは作業内容を確認させてください。
課長:
この作業は一人の作業者が3工程を担当します。作業で不良品を作ってしまったときは、良品と区分、整理(S1)するために、赤く色を塗った不適合製品(Q3)箱に一次保管します。班長が定期的に巡視するときに、不適合製品の内容を確認し、修正するものと廃棄するものを判断します。廃棄物(E3)は、素材別に分別し廃棄します。
筆者:
設備点検(Q4)などはどのようにしていますか。
課長:
作業開始時に日常点検を実施しています。又終業時には清掃(S3)しますので、そのとき機械からの油漏れなどの異常があればすぐに分かります。その油が排水溝まで流れたときには、水系への汚染(E4)が懸念されますので、即時に処置をします。

(図3)には、この会話の中で出てきたQMS及びEMSの4つの要素と5Sの内容を記した。この図から分かるように、5SはQMS及びEMS活動を運営するための手段であり基礎となるものである。QMS及びEMSを家(仕組み)と例えるならば、これを支える土台が5Sということになる(図3 参照)。

(図3) QMS,EMSと5Sとの関係

 

日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌 2007年3月号 特集記事「5S・JIT及び品質と環境のISOで儲ける」から第6章「」ISOと5S・JITのシナジー効果で更に儲ける」より


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