ISOの研修・コンサルタント|有限会社マネジメントホーム
TEL:0564-72-0550
お問い合わせ



お問い合わせ 活動方針
ISOアラカルト(山本宏司からのメッセージ) 過去のISOアラカルト
ISOアラカルト

このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第91話
 「教育・訓練を効果的に実践するためのPDCA」(その1)

今回は、一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」から、2010年7月号「教育・訓練を効果的に実践するためのPDCA」を3回(第91話~第93話)に分けてご紹介します。今回は、(その1)を掲載いたします。

 

1.少年よ大志を抱け


今回は先月号に引き続き、北海道での観光の話から始めます。4月下旬、筆者は春の北海道に到着し、まず向かった先はクラーク博士の銅像が立つ羊ヶ丘でした。(クラーク博士の銅像と筆者 写真参照) クラーク博士の銅像に刻まれている「BOYS, BE AMBITIOUS」(少年よ大志を抱け)という言葉は、あまりにも有名ですが、クラーク博士がこのメッセージを残した理由を、筆者はここを訪れるまで知りませんでした。資料館で入手した「ウイリアム・S・クラーク博士に関するメモ」(参考文献 1)参照)に、その理由が載っていましたので、ここで紹介いたします。

ウイリアム・S・クラーク博士は任期満了によって、明治10年(1877)4月16日、札幌に別れを告げると馬で室蘭に向かった。その朝、名残を惜しむ職員・生徒一同は、馬にまたがり、クラークを囲んで開拓史本陣前に整列して記念写真を撮ってから、クラークを送って千歳へ向かった。・・・中略・・・。やがてクラークは・・・中略・・・、ひらりと馬にまたがると、道を進みはじめた。振り返ると、別れを惜しむ学生らが悲しげな様子でなおも馬であとに従ってこようとするので、いきなり馬にムチをあてて一声高く叫んだ。
「Boys, be ambitious!」 この言葉が、師の後ろ姿を見送る教え子達の胸に深く刻み込まれ、北海道大学の精神に育っていったのである。

この場面描写からは、クラーク博士とその生徒の間での別れを惜しむ情景がとてもよく伝わってきます。更に、このようなシチュエーションでクラーク博士が叫んだ「Boys, be ambitious!」が、生徒達に与えたであろう影響の大きさは、容易に想像できます。
「Boys, be ambitious!」は、一つの言葉というより、生徒達にとっては、大切な「教え」と言った方が良いかもしれません。
このような劇的な場面でなくとも、ある機会に得た「教え」を、誰しも大切に持っているのではないでしょうか。
筆者は、「Boys, be ambitious!」というメッセージから、社会人になったばかりの新入社員研修で、「自己研鑽に励め」という「教え」を得たことを思い出しました。
ここからは、今から30年前に遡り、新入社員研修の場面を再現してみます。
研修の初日に、筆者を含む新入社員は、人事担当者から次のような課題を与えられました。「社会人となり、この会社で働くことになった今、仕事に臨む上で最も大切なことは何かを研修最終日までに考え、各自発表しなさい。」
約1ヶ月間の集合研修はあっという間に過ぎ、熟慮したとはいえませんが、筆者の発表は次のような内容でした。
「毎日の仕事始めに、その日の活動計画を立てる」
この発表がどう評価されたのかは、全く記憶に残っていませんが、人事担当者が最後に述べた模範回答は、今でも鮮明に覚えています。
「皆さんにとって大切なのは自己研鑽に励むこと。ここにいる新入社員一人ひとりがレベルアップすれば、会社全体のレベルも上がるのです。」
筆者にとって、「自己研鑽に励む」というフレーズは、まさに目からウロコ。会社での自らの役割は、上司から与えられた仕事をそつなくこなす。そして、それさえしていれば、対価を給与として受け取る権利を有するという認識が、このフレーズで一変したのでした。教育・訓練は、業務を遂行する上で必要な知識、技能を教えるだけではなく、人の意識をも変える場であることを、その時に知りました。

Boys, be ambitious!

参考文献
1) ウイリアム・S・クラーク博士に関するメモ さっぽろ雪まつり資料館 資料(2006年7月9日付け)

 

一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」 2010年6月号より

 


ISOの研修の内容をご覧になりたい方はこちら ISOの研修・出張研修
ISOのコンサルタントの内容をご覧になりたい方はこちら ISOのコンサルティング
経営のコンサルタントの内容をご覧になりたい方はこちら 経営のコンサルティング

 


ページトップ
当サイトに記載されている全コンテンツ(文書、画像、写真など)の著作権は、当社に帰属します。
いかなる目的であっても無断で使用(複製、改変、配布等を含む)すること、及び無断引用は禁止いたします。 (new)
Copyright(C) 2009 Management Home All Rights Reserved.