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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。
第21話 「知恵を活かした工夫の宝庫」(その2)

今回は、日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌2008年10月号 特集記事第6章「事例紹介 三重ダイケン株式会社久居工場 -知恵を活かした工夫の宝庫-」を先月から3回に分けご紹介してます。 今回は、(その2)を掲載いたします。

2.工夫の宝庫 事例紹介

(5)検査・試験(ISO 9001 8.2.4 関連)

現場で使っている検査チェックシートに絵が入っていますね。

南氏:力量がある検査員でも稀にチェックミスをすることがあります。このミスを最小限にするため検査のポイントを視覚化し、一目で判断できるように、チェックシートに図をいれました。また、目視検査台には格納できる足場を設置しました。検査員の身長が低いときは、足場を出し、その上に乗ることで検査視野が広がるため、見落としがなくなりました。

現場で使っている検査チェックシート・目視検査台足場
(6)安全(設備面で ISO 9001 6.3、 7.5.1 関連)

安全についての工夫はどのようなものがありますか。

南氏:現場ではコンベアで製品を移動する工程が数多くあります。検査は、作業者が、コンベア上で流れている製品を目視確認しますが、この時、検査員の手を置く場所を決めておかないと、巻き込まれ、挟まれなどの災害が発生します。これを防止するため、検査場所のコンベアサイドには、安全バーを設置しています。検査員は、安全バーに手を置くことで安心感が得られて検査に集中でき、安全性も格段に上がります。

安全バー

もう、1つ事例を紹介します。塗装の外段取りするときに、ライン外でロールを回転させます。作業者は、この作業の際、一目見ただけではロールが回っているか、止まっているか解りにくい状況になります。もし、回っているロールに、間違って触れることになれば、大きな事故に繋がる危険性が高まります。そこで、これを一目見ただけで、回っているか、止まっているかを認識できるように、ロールの両サイドにトラマークを入れました。単純ですが、すばらしい発想だと思います。

ロールの両サイドにトラマークを入れました
(7)環境

環境に配慮した工夫もいくつか紹介して頂きましたが、これについては、本特集記事第4章の南さんの記事を参照してください。

(8)「作製中」とは(ISO 9001 7.5.5 関連)

「作製中」と表示のある場所がたくさんありますが、いったいこの場所は何ですか。

南氏:作業者は、毎日、改善に係わるアイディアを出し、それを現実のものにしています。 「作製中」と書かれた場所は、改善途中の段階のものを置く場所です。決められた場所に改善途上のものを置くことにより、作業者は相互に刺激を受け、更に改善意欲をたかめる相乗効果を得ています。

改善途中の段階のものを置く場所です

 

日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌2008年10月号
特集記事 第6章「事例紹介 三重ダイケン株式会社久居工場 -知恵を活かした工夫の宝庫-」より


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