今回は、一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」から、2009年12月号「温室効果ガス低減プログラム策定のためのPDCA」を3回(第66話~第68話)に分けてご紹介します。今回は、(その1)を掲載いたします。
2009年9月22日、ニューヨークで開催された国連サミットで、鳩山首相は温室効果ガス削減の中期目標について、『排出量を2020年までに1990年比で25%削減する』と表明しました。25%という数値の妥当性についての議論はさておき、将来、私たちの子孫が生活するための地球環境を守るのは、現在、生活している私たちの務めであり、家庭生活においても、企業活動においても、CO2(二酸化炭素)削減のための努力は当然の義務であると考えます。
平成21年版環境白書によれば、CO2排出量は1990年(平成2年)に比べ2007年(平成19年)では9.0%上回っており、そこから計算すると2020年までの25%の削減目標は2007年を基準とすると34%の削減が必要となります。
また、排出量を部門別でみると、図1のように運輸、業務、家庭及びエネルギー転換部門では、14%~44%の増加で、産業部門だけが2.3%の減少になっています。
図1 部門別CO2排出量の推移 平成21年環境白書より
産業分野(工場など)は、これまでISO14001環境マネジメントシステム(以下EMSと略す)、省エネ活動などを通じて、CO2排出量の削減に努力してきましたが、社会的責任として、またこれから始まろうとしているCO2排出取引制度による経済的な課題として、これまで以上に組織的な取り組みを余儀なくされようとしています。
そこで、今回、企業における温室効果ガス削減のためのPDCA(表1参照)のPlanにあたる温室効果ガス削減プログラム策定のためのPDCAについて考えてみます。
表1 温室効果ガス削減のためのPDCAの概要
項 目 | 内 容 |
---|---|
P:計画 | 温室効果ガス削減プログラムの策定 |
D:実施 | 同プログラムの実施 |
C:確認 | 実績(成果及びスケジュール差違)の確認 |
A:処置 | 温室効果ガス削減プログラムの修正 |
一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」 2009年12月号より
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