今回は、食品関連産業国際標準化システム・食品トレーサビリティ協議会『フリシス情報』誌 No.35 2008年3月号 「ISOで儲けよう! -社会、顧客の満足向上を実現し、企業自らの利益を上げるために-」を4回(第27話~第30話)に分けてご紹介します。今回は、(その4)を掲載いたします。
ここで、ISO9001(品質マネジメントシステム)とISO22000(食品安全マネジメントシステム)の違いについて触れておきます。ISO9001は、顧客満足の向上を目指すためなどに使う規格で、ISO22000は、製品の安全を保証するために使う規格です。大きな捉え方をすれば、安全は品質の要素であると考えることができますが、あえて安全を別の要素として取り上げているところに注目すると、この規模の意図が分ります。
また、両者の決定的な違いは、ISO22000には予防処置の要求事項がないことです。つまり、ISO22000は、システム全体が食品の危害の発生を防止する内容(予防処置)になっており、食品安全問題を絶対に発生させないことを意図しているのです。これに対し、ISO9001は、品質問題の発生を防止すること、そして発生した問題を改善することにより、相対的なレベルを上げることを意図したものといえます。
本稿5ページの図は、ISO9001の条項に合わせて顧客満足を向上するための枠組みを、上図は、ISO22000の条項に合わせて製品安全を保証するための枠組みを示します。双方の図を見比べると、規格の意図の違いが解ります。食品を製品として扱う会社にとっては、味が良い、見栄えがいい、納期対応が迅速など品質に係わる側面と、殺菌工程の管理、添加物の抑制、輸送中の温度管理など安全に係わる側面の活動は切り離すことは出来ません。つまり、ISO9001とISO22000が別の規則だからということで、皆さんの会社の仕組みを分ける必要はないということです。統合マネジメントシステムで 対応することでもよし、QMSにFSMSの要素を取り入れても、また、その反応でもよし。ISO規格は、皆さんの会社を良くするために使う道具であり、これをどのように使うかが大切なことなのです。
食品関連産業国際標準化システム・食品トレーサビリティ協議会『フリシス情報』誌 No.35 2008年3月号 「ISOで儲けよう! -社会、顧客の満足向上を実現し、企業自らの利益を上げるために-」より
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