このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。
今回は、一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」から、 2010年2月号「業務で使用する手順書を管理するためのPDCA」を3回(第76話~第78話)に分けてご紹介します。今回は、(その2)を掲載いたします。
まず、手順書を管理するためのPDCAの一例を次に挙げます。
手順書の内容は使用する目的で、その詳しさが変わります。 品質、食品安全、労働安全などの問題の発生を未然に防ぐための手順書と、新入社員に基本的なことを教えるための手順書では、異なった内容となるのは言うまでもありません。
①の目的とも関連しますが、手順書には、品質、食品安全、環境、労働安全などの分野、受け入れ、洗浄、混合などの作業工程、企業で製造している製品、 などの要素において、手順書の目的により、何を文書化するのか、その対象範囲を決めなければなりません。
手順書には、5W1H(Who:誰が、When:いつ、where:どこで、What:何を、Why:なぜ、How:どのように)により、これに係わる作業の内容を明らかにします。 5W1H以外にも必要な項目があれば、その項目を手順書の中に含めます。
製品の変化、技術の進歩、設備の更新などに伴い、作業方法は変化します。すでに作成済みの手順書が、その時点において最適な状態であるとは限りません。 そこで、手順書の内容が、適切であるかどうかを確認するための方法が必要になります。
筆者はこれまでに、作業のやり方が変わったにも拘わらず、その変更内容が手順書に反映されていない多くの事例を見てきました。 不慣れな作業者が作業を行うときや非定常的な業務が行われるときは、いずれも手順書を頼りとして作業をしますが、 手順書の内容が間違っていれば、結果としてその作業は失敗してしまいます。作業のやり方を変えたときは、同時に手順書の改訂も行うというルールを作っておきましょう。
作業内容を熟知した人が、手順書を作成します。作成した手順書は、誤った使用を防ぐために、表題、作成日、作成者、改訂番号を明記し、必ず権限をもつ人から承認を得ます。 承認は、手順書に基づく実施の結果責任が会社にあることを示す証であることを考えれば、その重要性は理解できます。 手順書は、言葉による表現に限らず、図、表、写真などを効果的に用い、利用者に分かり易い内容にすることが大切です。
目的((P)①参照)に対し、成果が上がっているかどうかを、定期的に確認します。
作業が手順書通りに実施されているかどうかを確認します。
手順書の内容に問題点、間違い、改良点がないかどうかを確認します。
手順書の作成、改訂方法、或いは内容に問題があれば、その処置を実施します。
一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」 2010年2月号より
ISOの研修の内容をご覧になりたい方はこちら | |
ISOのコンサルタントの内容をご覧になりたい方はこちら | |
経営のコンサルタントの内容をご覧になりたい方はこちら |