今回は、日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌 2006年11月号 リレー連載「今だからこそ、マネジメントシステムでわが社のファンを増やしませんか」から「システムを統合してお客さんの満足を得る」を7回(第39話~第45話)に分けてご紹介します。今回は、(その7)を掲載いたします。
ある質問に対する回答を要約したものが、次のAとBです。AとBは全く異なる意見なのですが、回答したのは同じ人です。1つの質問に対し、同じ人が違うことを答える。一体これはどういうことだと思いますか。
実は、AとBの回答には、質問をしたタイミングの違いが影響しているのです。
質問の回答者は、マネジメントシステムの構築、運営を担当する方々です。そして、質問の内容は、「統合マネジメントシステムをどう考えますか?」というものでした。回答Aは統合作業を始める前に、回答Bは統合マネジメントシステムが出来上がり、運用を始めてから得たものです。従って、Aは、統合マネジメントシステムをこれから構築しようとしている人の視点に立った回答であり、Bは、統合マネジメントシステムを実践した感想に基づく回答であるということです。
「統合マネジメントシステムは、話には聞いていたけど、実際に構築するとなると・・・。」と考えている皆さん。「百聞は一見にしかず」(フムフム⇒なるほど)、今回の記事で、統合マネジメントシステム構築の仕方及びその効用について、少しはご理解して頂けたでしょうか。しかし、ここで留まってはいけません。「百見は一験にしかず」(注1 (なるほど⇒これだ)、何度も統合マネジメントシステムに係わる書籍を調べ、多くの他社事例を見るよりも、一度実践してみることが大切です。(図12 参照)。
実践して、そこで問題点が明らかになったら見直し、改善する。これがマネジメントシステムの基本的な考え方なのです。
(注1「百見は一験にしかず」は筆者の造語。“百回見るよりも1度の経験がまさる”という意味で使う。)
日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌 2006年11月号 リレー連載「今だからこそ、マネジメントシステムでわが社のファンを増やしませんか」から「システムを統合してお客さんの満足を得る」より
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