今回は、日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌 2006年11月号 リレー連載「今だからこそ、マネジメントシステムでわが社のファンを増やしませんか」から「システムを統合してお客さんの満足を得る」を8回(第39話~第46話)に分けてご紹介します。今回は、(その4)を掲載いたします。
統合マネジメントシステムを効果的に運用するためには、組織構成が一つのポイントとなります。FSMSでは食品安全管理責任者(チームリーダー)が、QMSでは品質管理責任者が、EMSでは環境管理責任者が、経営者からそれぞれ指名を受け、システムの構築と運用を任されます。各管理責任者は与えられた担当分野において、システムの効果的な運用及び改善を図ろうとします。しかし、企業が有する人、もの、金などの経営資源は有限です。従って、組織構成において肝要な点は、マネジメントシステム全体を勘案して最適化を図るため、活動の優先順位を決め、資源配置をしなければならないということです。統合マネジメントシステムでは、このような全体最適に対する判断ができる統括管理責任者を設置し、情報の伝達及び指示系統を一元化します(図5 参照)。
統合マネジメントシステムには、FSMS、QMS及びEMSの全ての要求事項を当てはめていきますが、その幹となる規格を決めると良いでしょう。例えばQMSは、すでに運用実績があり慣れ親しんでいるということであれば、ISO 9001規格を幹とします。また、EMSの目的・目標及び実施計画による活動(QMSも同様な活動を実施しているが)が定着しているということであれば、ISO 14001規格を幹とします。その他、ISOの規格ではありませんが、すでにTPMの枠組みができているのであれば、TPM活動を幹としても良いでしょう。いずれにしても、今後、製品安全のため、顧客満足の向上のため、環境パフォーマンス向上のため、全員参加で活動する幹の部分を決めます(図6 参照)。。
日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌 2006年11月号 リレー連載「今だからこそ、マネジメントシステムでわが社のファンを増やしませんか」から「システムを統合してお客さんの満足を得る」より
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