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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第179話 :製造業の営業・販売とサービス業に活かすためのISO -私たちの会社は顧客の期待を超える- (その1)

1.はじめに

1年前、筆者らが執筆した特集記事『ISOで技術・技能を伝承する』が、本誌2008年10月号に掲載されました。ちょうどその頃、リーマンショックにより世界経済は一転し、日本もその大きな波に飲み込まれてしまいました。この1年間で、私たちを取り巻く経済、雇用環境は、あっという間に変わり、『仕事が減る』、『職を失う』、『モノが売れない』など、『減』、『失』、『ない』という言葉に象徴されるマイナス方向に大きく転じてしまいました。

今、経済は回復方向に向かいつつありますが、これまでと同じ考え方や取り組みでは、その時流に乗ることはできないと、筆者は考えています。読者の皆様の会社では、これまでにも顧客の期待を超えるため、様々な活動に取り組んできたとは思いますが、今後、更にこれを強化するため、サービスマネジメントの考え方(第1章参照)を取り入れることが、重要になると思います。

 

2.『サービス』と『モノ』

サービスマネジメンにおける、『サービス』と『モノ』の関係は、『サービス』が目的で、『モノ』が手段と考え、両者を繋がりのある関係として捉えます。例えば、どこかに旅行するときに、目的地まで移動しなければなりませんが、移動するという目的に、電車や車などの手段を使います。ここで、移動することを仕事とするのが、鉄道、タクシーなどのサービス業であり、自ら車を運転するときはセルフサービスということになります。

一方、電車や車などの車両を提供するのが製造業になります。

従って、サービス業における『モノ』は、サービスを提供するための手段として使い、一方、製造業における『サービス』は、設計開発を含む物作りの方向性を決定する貴重な情報源となります。

このような観点から、サービス業においてはもちろん、製造業においても又、サービスの特徴を理解することは有意義なことといえます。

 

 

 

 

3.サービス業のISO

総務省の統計(2006年 事業所・企業統計調査)によれば、日本には約600万の事業所があり、これを産業別で分類すると、第一次産業0.4%、第二次産業18.6%、第三次産業81.0%の割合となります(図1参照)。事業所の規模の大きさは別として数の上では、5事業所のうち4事業所は広義のサービス業を営んでいることになります。

 

一方、財団法人日本適合性認定協会(JAB)の統計によれば、現在、品質マネジメントシステム(QMS)の認証を受けている組織は約4万件、環境マネジメントシステム(EMS)の認証を受けている組織は約2万件で、そのうち第三次産業が占める割合は、QMSが約25%、EMSが約40%になります。

これを、サービス業を営んでいる事業所の数が占める割合と比較すると、サービス業におけるISOマネジメントシステムに係わる取り組みが、いかに低調であるかが読み取れます。(注1)

サービス業でISOが低調なのは、『ISOは製造業だけのもの』、『ISOはサービス業には役立たない』などの誤解から生じていると考えられます。サービスの特徴を考慮し、これを活用することで、サービス業におけるQMS及びEMS活動は、製造業と同じ、又はそれ以上のメリットを得ることができると思います。

今回の特集記事では、サービス業のQMS及びEMS活動のポイントを述べ、実際に成果を上げている企業の事例を紹介します。

なお、製造業の営業・販売業務にとっても、サービス業と共通の特徴を持つ活動であるので、この記事は参考になる内容といえます。

 

(注1)総務省とJABの統計値は、集計時期、集計の目的の違いがあり、双方のデータを単純に比較することが適切とはいえませんが、傾向を掴むために両者のデータを比較しました。

 

日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌に掲載した特集記事「製造業の営業・販売とサービス業に活かすためのISO  -私たちの会社は顧客の期待を超える- 」より


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