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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第106話 「利害関係者に対する価値創造能力を高める」(その1)

1.はじめに
今から35年前の話になりますが、筆者は大学を卒業して、K社(製薬会社)に入社しました。当時、筆者が受けた新入社員教育の内容は、殆ど忘れてしまいましたが、一つだけ、研修の初日に人事部の担当者から問い掛けられた質問は、今でも鮮明な記憶として残っています。
「社会人になって、一番大切なことは何でしょうか。」
約2週間に渡る新入社員教育の最終日、初日の質問の回答を求められた筆者は、「その日、その月、その年の初めに計画を立て、それを実践することである。」と述べました。全員の発表後、人事部は、自らが準備していた模範回答を披露しました。それは、筆者を含め、新入社員にとって考えの及ばない、まさに、目から鱗が落ちるような内容だったのです。

「一人ひとりが自己研鑽に励む。個人のレベルが上がれば、それに伴い会社の実力も上がる」

ISO 9004 「6.3.1 人々の運用管理」の冒頭には、次のような一節があります。
「人々は、組織における重要な資源であり、その十分な参画によって、利害関係者に対する価値創造能力を高めることになる。」
この内容は、筆者が、新入社員研修で学んだ「個人の力量アップが企業力のアップにつながる」ことに通じているのではないでしょうか。
今回は、人的資源の管理についてISO 9004 「6.3 組織の人々」を基に、企業における教育訓練のあり方について考えてみます(表1)。

 

本稿のポイントは、次の通りです。
教育・訓練は、
◇人を成長させる
◇学習する
◇知識を伝える
◇チームワークを促すためのもの


 

 

2.人々の運用管理
まず、次にISO 9004 「6.3 組織の人々」の要点を挙げます。 

「6.3.1 人々の運用管理」の要点
◇人々は組織にとって重要な資源であり、その十分な参画により、利害関係者に対する価値創造能力を高める
◇トップマネジメントは、人々が組織の目標達成に十分に参画することができるようなビジョン、価値基準及び内部環境を創造し、維持する
◇人々は最も価値のある資源であり、人々の作業環境が、人々の成長、学習、知識の移転及びチームワークを促すことを確実にすることが必要である
◇人々の運用管理は、計画的で、透明で、倫理的で社会的責任を考慮したアプローチを通して実施する
◇人々が自己の貢献及び役割の重要性を理解することを確実にする
◇人々が次の事項を行うことができるような権限を与えるプロセスを確立する
   以下、省略

 箇条6.3.1には、企業において何のために従業員の教育訓練を行わなければならないのか、その「教育訓練の目的(ねらい)」が挙げられています。
又、品質マネジメントの8原則が載っている附属書Bには、「原則3:人々の参画」の活用によって得られる便益及びこの原則を適用する際に必要な事項が記されています(図2参照)。例えば、組織における自己の貢献及び役割の重要性を理解させることで、人々が意欲をもち、熱意をもって事にあたり、深く参画するようになる。つまり、(図2)は、教育訓練の目的と手段の関係を示しているのです。
(図2)を参考にすれば、箇条6.3.1本文の理解が深まると思います。
さて、この箇条には、本稿のポイントとした、「人々の成長」、「学習」、「知識の移転」及び「チームワーク」などのキーワードが、使われています。これらについては、第5章で詳細を述べることにします。

 

 

日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌に掲載した連載記事「ISO 9004を活用して経営に活かすためのQMSに変える!」 2013年1月号より


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