このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。
1.ISOで儲ける
筆者は、『ISOで、しっかり儲けよう!』というスローガンを掲げ、講演会、講習会、コンサルティングなど、筆者の活動に、このスローガンを反映してきました。
あるとき、コンサルティングの相談のために来られた中小企業の社長から、筆者は次のような質問を受けました。「ISOで儲かるのですね?」
その時、筆者は、「ISOで儲かりませんが、儲けることはできます。」と、答えました。
読者の皆様、これはどういう意味か、お解りになりますか。
ISOの認証取得をしたからといって、それだけで利益を上げることに結びつくとはいえません。しかし、ISOは使い方次第で、利益を生み出すことができる道具として有効に機能することを、筆者は言いたかったのです。
『下手な鉄砲も数撃てば当たる』という諺があります。ある会社が、新製品や新サービスのまぐれ当たりで、これまで利益を上げてきたとしても、今後、このまぐれ当たりが続くかどうか分かりません。ISOマネジメントシステムを活用すれば、方針、目標の達成に向けたPDCAサイクルをまわし、確実に目標を達成する仕組みができます。これを、キーワードで表現すれば、『まぐれ当たりから確実へ』で表すことができます。ただし、先に述べた意味を十分理解して、マネジメントシステムを構築しなければならないことは、言うまでもありません。
ISOマネジメントシステムを生かす(活かす)も殺すもあなた次第なのです。
2.特集記事の総括
序章で、『この特集記事の見どころ』を4点上げましたが、ここで、その内容を振り返りたいと思います。(表1)~(表4)をご覧ください(表1~表4参照)。
3.おわりに
序章では、『サービス』と『モノ』の関係について説明しましたが、ここでは、『サービスの提供』と『製造』の違いについて考えてみます。
これまで述べましたように、『サービス』は、『モノ』と比較すると、4つの特徴がありました。その中でも、『サービスの品質』=『過程の品質』+『結果の品質』という等式と、『サービス』は束になっているという特徴を思い出して下さい(第1章参照)。この両者から導き出されることは、サービスの過程又は結果の要素に1つでも大きなマイナスが付けば、『サービスの品質』は、ゼロ又はマイナス評価になってしまうということです。つまり、『一度の失敗が、全てをダメにする』ということがいえるのです。
一方、製造では、顧客は製造過程に関与しないので、結果(製品)だけが、評価の対象になります。従って、その評価は、起きた問題の大きさの程度で決まり、問題となった製品は、修正することで対応ができます。
『サービスの提供』と『製造』をゲームで例えると、『サービスの提供』は、ドミノ倒しに、『製造』は、ジグゾーパズルに近い性質を持っています(図1参照)。
ドミノ倒しは、1つのミスが、それまでの努力をゼロにしてしまう危うさを含んでおり、ジグゾーパズルは、1つのピースをなくしても全体に及ぼす影響は、それほど大きくありません。
だからこそ、『サービスの提供』では、1度の失敗も起こさないための工夫が必要であり、そのエッセンスが、『この特集記事の見どころ』で取り上げた項目といって良いと思います。
最後に、この特集記事が、少しでも読者の皆様の、お役に立てば幸いと思います。この記事について、ご不明な点、ご意見などありましたら、ご連絡下さい。お待ちしております。
日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌に掲載した特集記事「製造業の営業・販売とサービス業に活かすためのISO -私たちの会社は顧客の期待を超える- 」より
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