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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第154話 内部監査は、QMS活動全体の状態が判るバロメーター (その2)

3 監査は文書の承認もれや空欄を探す機会? 

 内部監査報告書などの指摘をみると、90%以上が記録の空欄や文書の承認漏れの指摘である。空欄探しがだめだと言うわけではないが、内部監査で空欄しか指摘できないことは問題である。 

内部監査の指摘の例

① 設計管理規定には、設計計画書にはレビューの内容を記述することになっているが、○○製品の設計開発計画書には、レビュー内容が記載されていなかった。

② 文書管理規定には、現場で使用する作業標準書は、製造課長が承認することになっているが、△工程の作業標準書に、承認がない 

 空欄や承認もれだけの指摘しかできない要因の一つは、監査の準備不足にある。

QMSの成果が得られないという会社の内部監査員200人に内部監査の準備時間を調査したところ、殆どが30分以内という結果であった。

 

 ISO 9001を認証取得している会社は、1年若しくは半年に1回の頻度で審査登録機関の審査を受ける。審査は、審査を仕事とするプロの審査員によって行われる。審査員は、事前に審査対象の会社の品質マニュアルや関連文書を熟読し、どのような質問をしようか、どのような監査証拠を集めようかなどと準備を整えて審査に臨む。時間にすれば少なくとも半日から1日を審査の準備に充てる。

監査を行う機会の少ない(1~2回/年)内部監査員が準備もなく監査に臨んでも、的を射た指摘ができないのは当然のことである。

 内部監査では、一般的に次の項目について事前準備をする。 

① 被監査部署に係わる業務手順を確認する

  -品質マニュアル、関連規定、作業標準書など

② 何を重点的に調査するのか決定する

  -製品、作業、時期などを特定する

③ 過去の問題点、前回監査の指摘を確認する

  -被監査部署の問題点の把握

※被監査部署:監査を受ける部署

 

更に、内部監査を本質的な問題点を洗い出す場とするためには、上記の項目に加え、次の手順を踏むと良い。 

① 内部コミュニケーションにより得られた情報(品質問題など)を基に、被監査部署に対する監査のポイントを絞る。

② 事前準備の段階で、被監査部署の活動の記録などを入手し、疑問点や問題点を把握する。

③ 内部監査では、事前準備の段階で明らかになった疑問点や問題点に関する確認をする。(インタビューや現場で監査証拠を確認する)

 

内部監査では、事前準備により絞り込んだ疑問点や問題点の確認をポイントに置くことでより密度の濃い内容を調査することになる。

内部監査を効果的に運用している会社は、上記の手順に基づき、事前準備に2~3時間を費やしている。

準備時間は、内部監査員の力量の違いもあり、準備時間の必要性と監査で得られる指摘の有効性を勘案し決めればよいと考える。

4 監査は言い訳聴いたり、アドバイスをする場? 

一般的に、内部監査は、指定された部署に対し、3時間(例えば13:30~16:30)程度の時間で行われる。

だが、果たしてこの3時間、現状を把握するための調査活動として有効に使っているのだろうか。

この3時間の内訳は多くの場合、

被監査側の言い訳を聴くのに1時間、

アドバイスをするのに1時間、

監査の時間は残りの1時間

である。

僅か1時間程度の調査活動では、QMSの実態を確認することは、まず不可能である。又、調査時間の不足は、前項で述べた『空欄しか指摘できない』要因の1つでもある。

この問題を改善するための、監査側と被監査側、双方の留意点を挙げる。

 

監査側の留意点

①監査の時間は、チェックリストに基づき、淡々と監査証拠を収集する調査活動に徹すること

②被監査側の欠点ばかりを探すのではなく、良い点も見つけること

 

被監査側の留意点

①内部監査は、自分たちでは気づかない業務の改善のネタを見つける場であることを理解すること

②監査側に指摘をされなくても、監査の機会に自ら気づいた点は記録し、改めて見直すこと

 

 被監査側がアドバイスを必要としたときは、内部監査の実施後、改めて日程を設定し、関係部署を集めて会議を開催することをお薦めしたい。

 

 

日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌に掲載した特別記事「内部監査はQMS活動全体の状態が分かるバロメーター」 2006年2月号より

 


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