このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。
3.法令・規制の遵守評価手順例
内部監査における「法令・規制」の遵守を評価するポイントは次の3つです。
(1) 適用される「法令・規制」要求事項が明らかになっているか。
(2) 関連する「法令・規制」が新規に制定される、または改定されたときの見直し、更新の仕組みが機能しているか
(3) 「法令・規制」の内容が、当該業務に携わる人達に伝わっているか
これら3つのポイントを踏まえ、(図1)を参考にした「法令・規制」の遵守を評価する方法を、順を追って説明します。
①(図1)の(4)(5)に関連する「法令・規制」で、新たに制定されたもの、または改訂されたものを、事前に監査員自ら選択し、その事例の内容を調査する。(以下、ここで調査したものを「事例」と呼ぶ)
②(図1)の(3)に基づき、規制当局(例えば、保健所)との「法令・規制」に係わる情報のやりとりをどうするのか。その手順(いつ、誰が、何を、どのように)について確認する。次に、この手順に従って、「事例」が、どのように扱われたのかを確認する。
③「事例」が、法令・規制一覧表(仮称)に明記され、制定または改訂記事が正しいことを確認する。
④(図1)の(2)に基づき、「事例」の内容が、関連部署および食品安全チームに伝わっているかどうかを確認する。
4.食品安全を確保する
「法令・規制」を遵守することは当然のことです。それを確実に実行するためには、FSMSに、「法令・規制」の内容の明確化と、常に最新の状態への更新をするための機能を持たせることが必要です。
ところで、「法令・規制」を遵守すれば、それだけで食品安全が確保できるかというと、そうではありません。食品衛生法で牛レバーの生食が禁止されたのは、まだ記憶にも新しい事例ですが、これは、焼き肉チェーン店で発生した食中毒がきっかけになりました。このように食品衛生法の制定、見直しの多くは、食中毒事故の発生を機に行われています。
食品安全を確実にするためには、「法令・規制」を遵守するに留まらず、PRP、OPRPおよびHACCPプランに基づく、食品安全に向けた取り組みが重要なのです。
鶏卵肉情報センター『月刊HACCP』誌に掲載した連載記事「ISO 22000の内部監査を活かす」 2013年2月号より
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