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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第163話 コミュニケーションを有効に活用する (その2)

2.コミュニケーションの重要性

以前、私は散髪するときに、「どうしますか」と尋ねられると、「いつものように」と理髪店の店主に伝えていました(注2)。

 

(注2)理髪店が組織、私を顧客と捉えたとき、ISO9001の条項では理髪店側から見ると、顧客関連のプロセス7.2.1、7.2.2及び7.2.3の活動に、私の側から見ると7.4.2購買情報に相当する。

理髪店が組織、私を顧客と捉えたとき、ISO9001の条項では理髪店側から見ると、顧客関連のプロセス7.2.1、7.2.2及び7.2.3の活動に、私の側から見ると7.4.2購買情報に相当する

 

 

 

その理髪店は私が長年通っていた店であり、店主ひとりしかカットする人はいなかったので、この一言で事足りていたのです。散髪を終えて自宅に戻ると、妻が私の髪型を見て、「前回と違うスタイルにしたの?」と毎回言います。店主は調髪を終えると、二つ折りの鏡を使って全体の仕上がり状態を映し、私に出来栄えの確認をします(注3)。 

(注3)理髪店の店主の活動は、ISO9001の条項では顧客とのコミュニケーション7.2.3及び顧客満足8.2.1の活動に相当する。 

その時、私は、私の希望した長さより切りすぎてしまっていれば、もう元に戻すことはできないと諦め、また、少し長めのときは許容範囲内ということで、いつも、「これで結構です」と店主に返事をしていました。その結果が毎回異なるヘアースタイルに繋がっていたようです(図2 参照)。

私はある日、理髪店に出かけましたが、前述の店は定休日で、仕方なく、別の理髪店で散髪することにしました。その店の椅子に座ったときに、理容師と交わした会話は次の通りです。

 

理容師:「どれ位、カットしましょうか」

私:「1ヶ月前に戻してください」

理容師:「それでは、1cm切りますが宜しいでしょうか」

私:「お願いします」

 

初めての理髪店で、私の希望(要求事項)を伝えた内容は、たったこれだけでしたが、調髪後の出来栄えは良好で、私のイメージ通りの仕上がりになりました。それ以降、私は2度、3度と足を運びましたが、仕上がり状態のばらつきが殆ど無いため、私の行きつけの理髪店をこの店に変えました。

本事例では、理容師は、「どうしますか」ではなく、「どれ位、カットしましょうか」という問いかけをしたことで、私の意図する具体的な要求事項を引き出すことができました。一方私は、「いつもと一緒」などという曖昧な表現ではなく、「1ヶ月前に戻してください(1cm切って下さい)」という具体的な要求をしたことで、満足できる結果を得ることができたのです。

このように、的確なコミュニケーションが、組織にとっては顧客満足を得る上で、また顧客にとっては意図するサービスを得る上で、大変重要なのです。

 3.コミュニケーションに係わるISOの要求事項

コミュニケーションの意味を辞書で調べると次のように解説しています。

人間が互いに意思・感情・思考・情報を伝達し合うこと。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える身振り・表情・声などの手段によって行う。

三省堂 大辞林 第3版より

 

この解説から、コミュニケーションには次の3つの要素を含むことが分かります。

①人と人が互いに伝達しあうこと

②伝達するものは意思・感情・思考・情報などであること

③伝達手段が必要なこと

つまり、コミュニケーションとは、伝達手段を用いて意思・感情・思考・情報などを、お互いの間で伝達しあう(一方通行ではない)ことです。コミュニケーションを親子におけるキャッチボールに例えると、親と子の間で、ボール(伝達するもの)を投げたり受け取ったりすること(伝達する手段)になります(図3 参照)。

 

次に、ISOマネジメント規格の中でも広く使用されているISO9001 QMS及びISO14001 環境マネジメントシステム(以下EMSと略す)について、コミュニケーションに関連する要求事項を見てみましょう(図4 参照)。

図4からISO9001及びISO14001は、コミュニケーションの効果的な方法、または、その手順の確立を要求していますが、コミュニケーションの対象、内容及び手段などに関する具体的な要求は殆どありません。

品質・環境マニュアルなどのシステム文書には、図4のコミュニケーションの要求事項に対する具体的な手順が記述されています。しかし、その内容は、「品質保証会議」、「環境保全会議」、「朝礼」などの会議体系を挙げるだけで、何の情報や意思を伝達するのか、伝達する対象は誰かなど、分からないことがあります。

読者の皆さんの会社では、次のようなことに心当たりはありませんか。

  • 製品の仕様変更を顧客の指示通りにできない
  • 顧客からの苦情に対する処理に時間がかかる
  • 顧客から対応が遅いと言われる
  • 営業情報の信憑性に疑念を抱くことがある
  • 問題が発生すると他部署の責任にする

 

 

これらはいずれも、コミュニケーション不足や的確なコミュニケーションができていないために、発生している事象である可能性が高いのです。コミュニケーションは、企業活動において、顧客からの情報や社内における重要な情報などを伝達するものです。顧客からの要求に応えられないために 信用を失ってしまったり、内部コミュニケーションが悪いために致命的な問題に発展するなどの例が少なくありません。逆に、コミュニケーションを改善することによって、顧客満足の向上を図ったり、社内の問題発生を未然に防ぐことが可能になります。次章の「4.コミュニケーションのポイント」で事例を挙げながら、改善のためのポイントを述べます。

 

日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌に掲載したリレー連載「今だからこそマネジメントシステムで我が社のファンを増やしませんか」の「コミュニケーションを有効に活用する」より


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