このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。
「6.1 一般」の要点
◇資源の運用管理のための方針と方法は、組織の戦略と一貫性をもたせる
◇資源を効果的かつ効率的に利用するために、資源の提供、配分、監視、評価、最適化、維持及び保護を行うためのプロセスを備えておく
◇将来の活動のために起こりうる資源不足というリスクの特定とアセスメントを行い、改善の機会を見出すため、資源の利用状況を継続的に監視する
◇これと並行して、新しい資源、最適化されたプロセス及び新しい技術に対する調査を行う
◇資源(アウトソースを含む)の利用可能性、適切性をレビューし、必要な処置をとる
◇レビューの結果を戦略、目標及び計画のレビューへのインプットとして利用する
ISO 9000:2008 2.4 「プロセスアプローチ」には、次の記述があります。
「インプットをアウトプットに変換するために資源を使用する一つの活動又は一連の活動は、プロセスとみなすことができる。」
これより、資源は、インプットに付加価値をつけるために必要なものであることが分かります。ISO 9004箇条6では、財務、組織の人々、供給者及びパートナ、インフラストラクチャー、作業環境、知識、情報、技術、天然資源を資源として取り上げ、これらの運用管理について論じています。
また、資源とプロセスの関係を、ISO 9000:2008 2.8.1 「品質マネジメントシステム内のプロセスの評価」にある4つの質問を参考にして(図2)に表しました。この図から、各プロセス(業務)の成果には、当該のプロセスに係わる責任、手順及び資源が関与することが分かります。
視点を一つのプロセスから、複数のプロセスが集まった集合プロセス、例えば、製品実現のプロセスでは、それぞれのプロセスに対して資源を効果的に配分する運用プロセスが存在します(図3参照)。このプロセスに係わる管理上の留意点を箇条6.1に挙げています。資源の運用プロセスにより、企業が所有する限られた資源を、どのプロセスにどれだけ配分するのかが決定されます。資源は、単に全体的なバランスを考慮するのではなく、戦略に基づいて配置しなければなりません。資源を効果的に配分するためのキーワードは次の通りです。
◇資源の運用管理は戦略と一貫性をもたせる
◇将来の活動のための利用を確実にする
又、資源を配分されたプロセスでは、この資源を効率的に活用しなければなりません。効率的な利用とは、資源を100%活用する、又は、より少ない資源で大きな成果を得る、という意味で用いられています。
資源の配分のみならず、例えば、設備不足を人的資源でカバーするなど、資源の選択においても、資源の運用管理のプロセスは、その役割を果たさなければなりません。
資源の運用管理は、戦略に基づき、資源を選択及び配分し、これを効率的に活用することなのです。
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