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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第123話 「監査証拠を集めて現状を知る」(その2)

2.監査証拠を集めて現状を知る

監査証拠こそが、内部監査の状態を診断するために必要不可欠な情報である。

ISO 19011:2011(JIS Q 19011:2012)では、「監査」を次のように定義しています。
監査:「監査基準が満たされている程度を判定するために、監査証拠を収集し、それを客観的に評価するための体系的で、独立し、文書化されたプロセス。」

この「監査」の定義から、監査では「監査証拠」が、重要な役割をもっていることが分かります。それでは、次に「監査証拠」の定義をISO 19011:2011から引用してみます。
監査証拠:「監査基準に関連し、かつ、検証できる、記録、事実の記述又はその他の情報。」

次に、「監査」と「監査証拠」の定義に出てくる「監査基準」についても調べてみましょう。
監査基準:監査証拠と比較する基準として用いる一連の方針、手順又は要求事項。

筆者が「監査」を平易な表現で言い換えると次のようになります。
「監査」とは、「手順(食品安全マニュアル、一般衛生管理規定)や要求事項(ISO 22000の要求事項)への遵守の程度を判定するために、記録、事実を裏付ける情報を集め、客観的に評価するプロセス」
食品安全マニュアル(※1)を監査基準とした内部監査を例に挙げて説明すると、監査員が適合であるかまたは不適合であるかを決定するためのより所が食品安全マニュアルです。そして、食品安全マニュアルの手順に従って活動しているか、手順に従った活動で食品安全が実現されているかどうかをチェックするために、現場を観察する、作業者にインタビューをする、記録を確認する、などを実行し入手した情報が監査証拠です。また、食品安全マニュアルの記述だけでは、その内容が分からないときは、更に詳しい手順を記した文書を確認します。この文書も監査証拠として扱います。
(※1)ISO 22000では、食品安全マニュアルを作成することは要求されていませんが、ここでは、ISO 22000の要求事項を網羅した文書を食品安全マニュアルとして扱っています。

前回、「すでに準備段階から監査は始まっている」で述べたように、内部監査員は、内部監査で何を調べるのか、そのためにどの資料を説明してもらうのか、どの工程を観察するのかを予め決め、その調査方法をチェックリストに記しておきます。そして、監査に臨むとき、このチェックリストに基づき、自らの意思で監査証拠をサンプリングして、FSMSの状態を確認するのです。
筆者は、監査では常に、左手に手順(または要求事項)、右手に記録(または現場での観察)を載せて、これらを照合するようなイメージを描き調査をします(図2参照)。

監査対象の現場で、現物を確認し、現実を知る。そのために必要な監査証拠を手に取り、その内容を調べた結果(所見)が、FSMSの有効性を高めていくために役立つのです。


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