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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第126話 「監査所見を的確に表明する」(その1)

1.内部監査を診る
筆者は、ISOマネジメントシステムの講師、コンサルタントを主な業務としています。その内容は、大きく分けて二つに分類され、一つは、新規にマネジメントシステム(MS)を構築する企業への支援業務、もう一つは、すでに何らかのMSを構築している企業に対する支援業務です。前者の業務では、MSの分野は異なっていても、MSを構築する過程に大きな違いはないので、その業務内容は標準化されています。一方、後者の業務は、企業の個々の要望に応えるものであり、内容は様々ですが、その一例として、次のような業務を挙げることができます。
(1)内部監査をレベルアップする
(2)既存のMSを改善する
(3)複数のMSを統合する
すでにMSを構築している企業における業務に臨むときには、どのような内容であれ、筆者は、まず内部監査の活動状況の確認から始めます。
MSによる活動では、経営理念、社是などの企業の基本理念に基づき、方針および目標を策定して(Plan)、これを達成するためにMSを運用し(Do)、その運用の状態を内部監査でチェックし(Check)、マネジメントレビューにより改善します(Act)。このPDCAの枠組みを(図1)に示します。内部監査の活動状況の確認は、MSの現状を把握するための効果的な手段に他なりません。つまり、内部監査の調査から得られた情報は、MSの状態が分かるバロメータなのです。

内部監査の調査では、内部監査の手順および得られた結果を重点的に確認します。特に、監査所見は、企業におけるMSの運用状態を知る上で重要な情報となります。
ここで、すでに食品安全マネジメントシステム(FSMS)を構築済みであったM社における、内部監査に係わる調査の一部を再現してみます。筆者の調査に対応してくれたのは、監査プログラム管理者のA氏です。
筆者:今年の3月および昨年10月に実施した内部監査で、どのような不適合が指摘されたのか教えて下さい。
A氏:3月の内部監査で8件、昨年10月の内部監査で6件の不適合の指摘がありました。こちらが、不適合の内容を記した是正処置要求書です。
筆者:3月の内部監査における、この2件の不適合について説明して頂けますか。
A氏:(是正処置要求書の内容を確認して)これを見ても、私には分かりません。この監査のチームリーダーを務めたBさんを呼びますので、直接、Bさんに確認して下さい。
B氏:(是正処置要求書の内容を確認して)何の指摘であったのか思い出せません。この監査は、1ヶ月前に行ったものであり、指摘の内容はすでに忘れてしまいました。

その後、B氏は、当該の監査に用いたチェックリストの確認ならびに、監査を受けた部署の責任者および監査チームメンバーに確認をしましたが、結局、2件の不適合は、何が問題であったのかが分からずじまいでした。これでは、監査を受けた部署において、適切な是正処置ができるはずはなく、また、監査チームリーダーであるB氏が、その是正処置の内容を評価できるはずもありません。
更に、監査プログラム管理者は、全ての監査所見を総合的に評価して、自社の弱みと強みを把握します。弱みはその改善を、強みはそれを延ばすための処置を検討し、監査結果と共に、トップおよび食品安全チームリーダーに報告しなければなりません。また、次に当該の部署を監査する監査チームは、事前に前回の監査で得られた不適合の内容を把握しておかなければ、是正処置の有効性が確認できません。
このように、監査所見の内容は、MSに係わる様々な人たちに的確に伝たわらなければ、それは何の価値も持たないのです。

 

 

鶏卵肉情報センター『月刊HACCP』誌に掲載した連載記事「ISO 22000の内部監査を活かす」 2012年8月号


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