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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第125話 「適合性の確認と有効性の確認、その違いを知る」(その2)

2.内部監査における適合性と有効性の確認とは
それでは、本題のマネジメントシステムの「適合性」と「有効性」について、その意味をISO 9000(※1)で調べてみます。
 適合(※2): 要求事項を満たしていること
 有効性: 計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度
 (※1)ISO 22000 「3 用語及び定義」では、ここに定めていない用語は、ISO 9000の定義を用いることになっています。
(※2)「適合」の定義から、「適合性」は、「要求事項を満たしている程度」であると言えます。

ISO 22000 8.4.1では、「次のa)とb)が満たされているか否かを明確にするために、あらかじめ定められた間隔で内部監査を実施すること」と要求しています。
a) 計画した方法、組織の定めた要求事項及びISO 22000要求事項に適合しているか。
b) 効果的に実施され、更新されているか。
これをキーワードで表せば、a)が「適合性」をb)が「有効性」の確認に相当します。
  
(1)「適合性」の確認
  次に示す方法、規定、規格で定められた事項がその通りに実施されているかどうかを確認します。
 ◇計画した方法:PRP、オペレーションPRP及びHACCPプランで定めた方法
 ◇組織の定めた要求事項:食品安全マニュアル、衛生管理の規定などにより自らが定めた規定
 ◇ISO 22000要求事項:ISO 22000におけるshall(「~すること」と訳している)事項

  (2)有効性の確認
 FSMSの活動において、有効性の定義にある「計画した活動」は、一体何に当たるのか、これをISO 22000から拾い出し、(図2)に示しました。
大分類における「計画した活動」は、FSMSの計画であり、箇条5.3には、「a) FSMSの計画」及び「b) FSMSの変更の計画」に係わる要求事項があります。
中分類とした項目には、箇条7.1「安全な製品の実現に必要なプロセスの計画」、箇条8.1「FSMSを検証及び改善するために必要なプロセスの計画」があります。
更に、前者の「安全な製品の実現に必要なプロセスの計画」には、「HACCPプラン」、「オペレーションPRP」及び「PRP」、が含まれ、後者の「FSMSを検証及び改善するために必要なプロセスの計画」には、「妥当性確認」、「モニタリング及び測定」及び「検証」が含まれ、いずれも計画に含まれる要素なので、これらを小分類としました。
 次に、分類した項目毎に、「有効性」の定義に基づき、「計画した活動」と「計画した結果」を(表1)にまとめました。

FSMSの「有効性」とは、「計画した活動」が実行されることは、適合性の評価に他なりませんが、これは、必要条件であって、「計画した結果の程度」が、「有効性」にとって重要な意味を持つのです。
(表1)によれば、FSMSの活動においては、食品安全目標が達成されてこそ、FSMSは有効であり、HACCPプランにおいては、設定した許容水準をクリアーできてこそ、HACCPプランは有効なのです。それぞれの活動が有効であってはじめて、食品安全が確保できる。柔道に例えれば、「合わせ技一本」ということになるのではないでしょうか。

次回は、監査所見を的確に表明するためのポイントについて述べる予定です。


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