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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第89話
 「確実なコミュニケーションを図るためのPDCA」(その2)

今回は、一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」から、2010年6月号「確実なコミュニケーションを図るためのPDCA」を3回(第88話~第90話)に分けてご紹介します。今回は、(その2)を掲載いたします。

 

2.重要な情報を必要とする人達に伝える


コミュニケーションという用語は、ISO 22000やISO 9001に定義されていません。そこで、フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)からその定義を引用します。
「複数の人間や動物などが、感情、意思、情報などを受け取り合うこと、あるいは伝え合うこと」 これを参考にして、本稿では食品会社で確立しなければならないコミュニケーションを、「安全に係わる重要な情報を、その情報を必要とする人達に伝え合うこと」と定義し、この定義を踏まえて、これより「確実なコミュニケーションを図るためのPDCA」について述べていきたいと思います。また、本稿では食品安全に係わる国際規格ISO 22000の箇条を関連づけて、より分かりやすい内容といたします。

(1) Plan

  1. ①安全に係わる重要な情報の明確化
    まず、始めに食品安全にとって重要な情報には、何があるのかを洗い出します。ISO 22000 「5.6.2内部コミュニケーション」には、
    a)製品又は新製品、b)原料、材料及びサービス、c)生産システム及び装置 
    以下m)までの13項目にわたり内部コミュニケーションで扱う情報を取り上げています。食品安全に係わる重要な情報は、ここで挙げられている情報を参考にします。
  2. ②情報を必要とする当事者の明確化

①で明らかにした情報はどこに伝達しなければならないのか、その情報を必要とする人達は誰かを明らかにします。また、情報のやりとりは社内だけに限定されません。お客様、原材料メーカー、保健所、業界団体など外部とやりとりする情報の窓口を決めておきます(ISO 22000 「5.6.1 外部コミュニケーション」参照)。更に、外部コミュニケーションと内部コミュニケーションは繋がりがなくては、情報の伝達が途切れてしまいます。必ず、内部コミュニケーションと外部コミュニケーションの関連づけをしておきましょう。

  1. ③連絡網の確立
    企業では、非常事態における情報の伝達経路を、緊急連絡網で明示しています。これと同様に、食品安全に係わる情報の伝達経路の「見える化」をすることで、関係者の意識の高揚、情報の伝達が途切れることを防止できます。
  2. ④情報の発信もれに対するポカよけ
    前述の事例のように、卵が入った原料に変更したにも拘わらず、原料担当者がその情報の発信を忘れたという場合、そもそも発信元が情報を出さなければ、その情報が必要な相手に伝わるはずがありません。そこで、情報の内容が変わったとき、必ず行う手続きの中に、安全に係わる情報を発信するためのトリガーを仕掛けておくことが必要になります。例えば、原料が変更になったときには、原料のマスターファイルの情報を変更します。ちょうどそのときに、食品安全に係わる新規情報が流れる仕組みにすれば、情報発信忘れのポカミス防止が可能となります。
  3. ⑤教育訓練の計画
    コミュニケーションにおいて情報の発信及び伝達に係わる要員に対して教育訓練計画を立案します(ISO 22000 「6.2.2 力量、認識及び教育・訓練」参照)。この教育訓練では、コミュニケーションの重要性、各要員の役割、コミュニケーションが上手くいかなくて情報が途切れたときの影響などについて教育・訓練カリキュラムを作成します。

(2)Do

  1. (1)Planで計画した事項を実行します。

(3)Check

  1. 検証プラン(ISO 22000 「7.8検証プラン」参照)や内部監査(ISO 22000 「8.4.1内部監査」参照)により、確立した内部コミュニケーション(ISO 22000 5.6.2 参照)や外部コミュニケーション(ISO 22000 5.6.1 参照)が確実に機能しているかどうかを確認します。

(4)Act

  1. 情報の伝達が上手くできていないと判断したときは、コミュニケーション経路に係わる処置(ISO 22000 8.4.21 参照)を行います。

 

 

一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)『JAS情報』誌に掲載した連載記事「PDCAあれこれ」 2010年6月号より

 


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