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ISOアラカルト(山本宏司からのメッセージ) 過去のISOアラカルト
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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。
第20話 「知恵を活かした工夫の宝庫」(その1)

今回は、日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌2008年10月号 特集記事 第6章「事例紹介 三重ダイケン株式会社久居工場 -知恵を活かした工夫の宝庫-」を3回に分け紹介いたします。

1.はじめに

これから、読者の皆様を、すばらしい工場にご案内いたします。

工場への案内役は、本特集記事第4章の執筆者である南和宏氏、取材は、同2章の執筆者山本宏司が担当します。
本章では、工場管理の上で重要な安全、品質、環境への取り組みに係わるノウハウや工夫の事例及びこれらを創り出す仕組みについて紹介します。ノウハウを創り出す仕組みのポイントは、業種の違いにかかわりなく共通であり、製造業はもちろんのこと、サービス業の読者の皆様にとっても、お役に立つ内容であると思います。

三重ダイケン株式会社は、木質系床材(フローリング)、床暖房(電気式、温水式)、直張りフロアーなどを製造する会社で、従業員数200名、売上高100億円/年の規模の会社です。工場は、三重県津市に久居工場と河芸工場があり、それぞれ車で40分ほどの離れた場所に位置しています。今回は、久居工場を訪問し、知恵を活かしたたくさんの工夫(技術・技能)について取材をしました。

まず、工場内に入って目を見張ったことは、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の徹底です。5Sは、工程や製品に係わる異常、問題点を一目で確認することができる手段であり、ここで得られた情報は、安全の確保、品質の向上、生産工程のムダどりのための工程改善に使われます。
久居工場は、通常では汚れることが当たり前とされている着色・塗装の工程や接着剤を用いた接着工程、木材の切削工程において、汚れの発生源に対策が施され、きれいな現場で、整然と生産活動を行っています。

この工場のすばらしいところは、従業員が5S活動の意義を十分理解した上で、それを自主的に実践していることです。従業員の自主的な5Sに係わる取り組みの秘訣は3.(3)を参照してください。

次に、安全への取り組みについて紹介します。「安全第一」は、工場管理の基本ですが、かけ声ばかりで具体的な実行を伴わない企業が散見されます。久居工場では、なるほど、と思わせる安全対策が、随所に施されています。ここでは、事故防止のための人とフォークリフトの通路を明確に区分した事例を紹介し、なるほど、と唸る事例については、この後2.(6)で紹介します。

2.工夫の宝庫 事例紹介

これから紹介する事例は、全て作業者がアイディアを出し、自らが製作し、そして自らが使っている工夫の数々です。

(1)設備管理(ISO 9001 6.3 関連)

製品を塗装する工程でおかしな台車を見つけました。一斗缶の蓋が台車についているのです。

この不思議な台車について、製作した意図を聞きました。

南氏:この台車は、水系の塗料を①保管場所から作業場所への移動に使う、②一斗缶の口を開け、チャージタンクに補給する、③一斗缶の一時保管場所とする、 という3つの役割をもっています。一斗缶の蓋は塗料の品質を維持する上で重要な役割をしますが、蓋置き場が台車にあることによって①から③の作業性が良くなると共に、一斗缶とその蓋について整理、整頓ができます。

(2)資材の購入管理(ISO 9001 7.4 関連)

現場にショーケースがありますが、これは何ですか。

南氏:現場で使用する副資材は、作業者が目につくところでショーケースの中に保管し、在庫管理を行っています。副資材の在庫は、番号及び色別で管理しています。具体的には、副資材の種類によって適正在庫数量を決め、発注点を色で識別管理し、緑から黄色の色番号になった時に発注するようにしています。

(3)工程管理(ISO 9001 7.5.1 関連)

各工程に掲示されている「ワンポイントレッスン」とは何ですか。

南氏:その作業を行う際、安全上、品質上、又は環境上、かなめとなるポイントを誰でもすぐに理解できるように絵や写真で説明した資料です。特に重要なものは、設備自体に掲示します。写真の例は、ロールコーターという接着剤を塗布する機械の洗浄方法を示したものです。ロールコーターは、ロールが回転しており、一般的に、挟まれや巻き込まれといった災害が非常に発生しやすい設備で、中でも洗浄作業は特に危険です。この例では、ロールに全く触れずに洗浄ができるという画期的な工夫を作業者が考案し作成してくれたもので、その扱い方を示したものです。

(4)保管管理(ISO 9001 7.5.5 関連)

 この穴の空いた木箱は何ですか。

南氏:この木箱は塗装工程で用いる設備のロールを保管し、また設備業者との通い箱に使う木箱です。ロールの識別番号が軸の木口面に刻印されているため、これまでの木箱では、いちいち取り出さなければ、中に入っているロールが識別できなかったのですが、作業者が木箱の木口部分に穴を空け、取り出さなくても確認ができるようにしてしまいました。そのアイディアがとても良かったため、それを水平展開した結果が、この木箱です。更に、目で見てすぐに解るように色で区分し木箱に表示して、識別するようにしました。

 

日刊工業新聞社『ISOマネジメント』誌2008年10月号
特集記事 第6章「事例紹介 三重ダイケン株式会社久居工場 -知恵を活かした工夫の宝庫-」より


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