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このページは、私が執筆した記事や講演会で伝えたメッセージから拾い出し、「ISOを上手に使おう!」と考えていらっしゃる皆様へご紹介するページです。このメッセージは、毎月(月始めに)更新いたします。

第128話 「修正と是正処置を確実に行う」(その1)

1.事故の処理
今から10年以上も前の話になりますが、筆者は、バックしてきた車に衝突される事故に遭いました。T字路で右折待ちをしていたとき、前で待機していた車が突然バックし、衝突されたのです(図1参照)。
加害者の男性は、すぐに、車から降りてきて、①筆者のケガの有無、②自身の免許証の提示、③加入している任意保険の提示、④筆者の身元確認、⑤警察への通報をした後、通行の支障にならない場所に筆者の車を誘導してくれました。彼は製造業に従事している会社員でしたが、事故処理は警察官にまさるとも劣らない手際の良さでした。
事故処理は滞りなく終わり、その後、彼が筆者の元に挨拶に訪れたとき、手際の良さを褒めたところ、彼は一言、こう言ったのです。
「慣れていますから。」
ここで、筆者が思ったことを、本日のテーマに出てくる用語を用いて表現すると、「彼は、不適合の処置は得意でも、是正処置は全く成っていなかった」のです。

今回は、修正と是正処置の違い、そして是正処置において、原因を特定するための切り口を述べたいと思います。

2.修正と是正処置
まず、ISO 22000:2005(食品安全マネジメントシステム)の「修正」及び「是正処置」の定義を確認してみましょう。
修正(correction):
検出された不適合を除去するための処置。
注記1 ISO 22000の目的にとって、修正とは安全でない可能性がある製品の取扱いに関連するものであり、したがって、是正処置と合わせて行うことができる。注記2 修正には、例えば、再加工、更なる加工及び/又は不適合の悪影響の除去(別の使用のための処分又は特定のラベル表示など)がある。

是正処置(corrective action):
検出された不適合又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去するための処置。
注記1 不適合の原因は、一つ以上のことがあり得る。注記2 是正処置は原因分析を含み、かつ、再発を予防するためにとられる。

この定義から分かるように、「修正」は製品(原材料、中間製品、最終製品を含む)における、不適合を除去する行為であり、その目的は、不適合にある製品を適合にすることです。それができなければ、当該の製品を不適合製品として処置しなければなりません。更に、「修正」について理解を深めるために、ISO 22000:2005 箇条7.10.1「修正」の要点を挙げてみます。CCPの許容限界を超えた場合、またはOPRPの管理が損なわれた場合、次の①~④を実施しなければなりません。
①影響を受けた製品を特定する
②その使用及びリリース(次工程への引き渡し、または出荷)を管理する
③影響を受けた最終製品を識別し評価をして、適正な取り扱いを決める(7.10.3 安全でない可能性がある製品の扱い 参照)
④修正を実行し、レビューする

「是正処置」は、不適合または望ましくない状況の原因を特定し、それを除去する行為であり、その目的は、不適合または望ましくない状況の再発を防止することにあるのです。ここで、ISO 22000:2005 箇条7.10.2「是正処置」の要点を述べてみます。是正処置は、許容限界を超えた場合、またはOPRPへの不適合がある場合、次の①~②を実施しなければなりません。
①検出した不適合を明確にし、除去し、かつ、再発を防止する
②不適合が発生した後に、工程またはシステムを管理下に戻すための適切な処置をする


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